2012年10月2日

【研究紹介】光による体内構造および機能の透視イメージング

研究紹介 — 9:43 AM

大学院情報科学研究科 生命人間情報科学専攻・教授 清水  孝一

 

(1)研究者のアピールポイント

光は体を透過せず、数mm厚み以上の透視は無理と考えられている。本研究は、強散乱体内部の透視実現をめざすとともに、既存透視技術とは異なる生体機能の分布を得て医療・医学への応用をめざすものである。

 

(2)本発表研究の概要

空間光差分および時間分解計測によって、生体透過近軸散乱光が検出可能なレベル実在することを示してきた。これを利用して生体内の強い光散乱効果を抑制することにより、体内吸光構造の透視や断層イメージングを可能としてきた。また、スペクトル解析や蛍光を利用することにより、生体機能の無侵襲イメージングを実現してきた。

 

(3)本研究発表の詳細

生体の裏側より光を照射し、表側から観察する。近赤外光のように生体組織における吸収が比較的小さい光の場合には、観測側に透過光が得られる。この光は、生体組織における強い光散乱により、拡散されて透過して来る。これにより、ラット脳機能を無侵襲的にとらえることができる。たとえば、脳内血流変化、脳内酸素化状態変化のイメージングが可能となる。体性感覚刺激に伴うラット大脳の局所的血液量変化をFig.1に示す。

生体に光を入射すると、生体組織の強い光散乱性のため入射光は体内に拡散し、その一部が後方散乱光として入射側に戻って来る。この戻る光が後方からの照明光となり、体表付近の吸光物体が、皮膚を介してイメージングされる。ただし通常の光入射法では、体表面における散乱性反射光の強度が強く、内部からの光を観測することは難しい。この問題を解決するため、蛍光物質を利用する。Fig.2にPSFデコンボルーション法により改善したラット頭部の経皮蛍光像を示す。脳表を走行する主要血管を中心に蛍光分布が観察される。また画像改善により矢状静脈や横行静脈をはじめ、脳血管が明瞭になることがわかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

(4)本発表の注目点

従来不可能と考えられてきた光による強散乱体の透視が実現できると、どのようなことが新たに可能となるか。医学・医療のみならず、種々の分野で新たな応用が考えられる。

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北海道大学 工学系連携推進部 renkei@eng.hokudai.ac.jp