2012年8月16日

【研究紹介】Webにおける時間情報処理 ~時間変化する情報の“名寄せ”と年表生成~

研究紹介 — 11:26 AM

(1)研究者のアピールポイント

Web検索・マイニング、機械学習などについての研究を行っています。特に情報検索や知識発見における時間の扱いに着目して取り組んでいます。また、学外の企業や研究機関との共同研究を積極的に行っています。

 

(2)本発表研究の概要

本発表では、現在の検索エンジンのようにページ単位で結果を返すのではなく、人物や商品といった実世界のオブジェクト単位で情報を抽出・集約して呈示するオブジェクトレベル検索について述べ、特にオブジェクトの時間変化に着目した研究について詳しく紹介します。

 

(3)本研究発表の詳細

人物や組織といった実世界のオブジェクトは、その属性や活動が時間とともに変化し、それはWeb上の情報にも反映されます。年表型検索エンジンは、過去から現在までのオブジェクトの情報をWebから収集し、年表形式での閲覧を可能にします。

オブジェクトレベル検索を実現する際には、同姓同名の人物など曖昧性を持つデータの扱いが課題となります。オブジェクト識別(名寄せ)はデータや文章中の記述が実世界の同じオブジェクトを指しているか否かを判別する問題です。人物や組織などは、時間とともに所属や所在地といった属性が変化するため、長期間に渡って収集されたWebページを扱う場合、名寄せが特に困難になります。私たちは、オブジェクトの属性値の時間変化の確率を考慮しつつ、同一オブジェクトの情報と推定される異なる時点のデータを順にマージしていくことで、時間変化するオブジェクトを精度良く名寄せする方式を開発しました。

 

(4)本発表の注目点

今後もWebへの情報の蓄積は続き、過去から現在までの情報を時間横断的に活用することが様々な分野で重要になってくると考えられます。本発表はそれらの基礎となる技術について紹介しています。

 

 

2012年8月7日

【研究紹介】レーザー敷設型超高圧電子顕微鏡開発とそれを利用した研究例紹介 ―光・イオン・電子のマルチ量子ビーム電子顕微鏡の開発に向けて―

研究紹介 — 12:17 PM

大学院工学研究院 エネルギー・マテリアル融合領域研究センター・教授 渡辺 精一

 

(1)研究者のアピールポイント

「時空間マルチスケール構造解析に基づく非平衡系材料科学とナノ材料創製」をメインテーマに以下の研究を行っています

・金属ナノボール創製に関する研究

・レーザー誘起量子ドットに関する研究

・マルチ量子ビームと非平衡材料科学

・新型超高圧電子顕微鏡の開発

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2)本発表研究の概要

これまで,北海道大学超高圧電子顕微鏡研究室が進めてきた,世界的にもユニークな短パルスレーザー発振装置を付加した超高圧電子顕微鏡の開発状況とそれを利用した先端研究例を紹介します.将来的には,世界初となるレーザー・イオン・電子のトリプル量子ビームの照射が可能な超高圧電子顕微鏡の開発導入を目指し頑張っています.

 

 

 

 

 

 

 

 

(3)   本研究発表の詳細

全国超高圧連携ステーション事業の一環として北海道大学超高圧電子顕微鏡研究施設において進められてきた,短パルスレーザー照射で材料がどのように組織変化し,自己組織化していくかをナノスケールでその場観察することができる,レーザー敷設型超高圧電子顕微鏡を開発と,これによる新たなその場観察技法に基づく照射効果現象と格子欠陥研究手法の開拓研究を主に紹介します.

 

(4)本発表の注目点

光(レーザー)とは?量子ビームとは何か?また,イオンビーム,電子ビームが当たると物質はどうなるのか?レーザービーム照射との違いは?マルチビームって?

 

【ヒント:ハドロン(イオン)ビーム,レプトン(電子)ビームに加え,フォトン(電磁波)ビームであるレーザー光導入により,素粒子系量子ビームのすべてが揃う.すべてを一緒に当てられる.】

 

そこで,何ができるだろうか?

2012年8月3日

【研究紹介】MEMS技術を利用した細胞力学環境計測・操作の新展開

研究紹介 — 9:31 AM

大学院工学研究院 人間機械システムデザイン部門・教授 大橋 俊朗

 

(1)研究者のアピールポイント

材料力学や流体力学などの学問分野を基盤として,生命現象と力学環境の関わりについて最先端の工学・生化学技術を駆使した研究を展開し,生命活動の普遍原理を探求するとともに病態原因の解明など医学分野への応用を目指しています.

 

(2)本発表研究の概要

私達は,生命現象を力学的に解明するバイオメカニクス研究を行っています.材料力学,流体力学的研究手法を軸に,生化学的・細胞生物学的手法を駆使して,生体組織や細胞の力学刺激に対する応答を中心に研究を進めています.特に,近年注目を集める微細加工技術を応用したバイオMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)研究にも精力的に取り組んでおり,本発表では細胞の力学応答計測・力学環境操作が可能な小型バイオチップの開発について紹介します.

 

(3)本研究発表の詳細

細胞は同一種においても,個々について形状や増殖動態,遺伝子・たんぱく質の発現に個体差が存在しています.そこで細胞一つ一つの評価を行う単一細胞解析が注目されており,我々は単一細胞解析のための新規バイオアッセイデバイスの開発を目指しています.本デバイスは個々の細胞の反応室の役割を果たす微小孔を規則的に配置したシリコン製マイクロウェルスライドと,試薬を送液するシリコーン製マイクロチャネル層で構成されます(右下図).従来の手法と比べて高額な試薬や貴重な試料の使用が少なく,したがって迅速かつ低コストの単一細胞解析が可能となります.本研究はスウェーデン王立工科大学との共同研究です.また,細胞の遊走性を調べる実験デバイスの開発も行っています.細胞は外部からの力学的刺激,化学的刺激,接着する基質の性質変化などに反応し遊走します.

細胞遊走は癌の発生や転移,損傷治癒過程における血管新生などに深く関わっていますが,細胞遊走メカニズムの詳細は十分にわかっていません.そこでMEMS技術を用いて細胞遊走時の局所学的環境を計測する独創的な実験デバイスを開発しています.

本研究は豪州クイーンズランド大学との共同研究です.

 

(4)本発表の注目点

私達は最先端の機械工学・生化学技術を駆使し生命現象の解明を目指しています.工学と医学・生物学間の学際領域研究を積極的に展開している実際の一端を紹介します.また,スウェーデン,オーストラリア,アメリカ,イギリスなど海外との共同研究を積極的に推進しています.

 

北海道大学 工学系連携推進部 renkei@eng.hokudai.ac.jp