2012年7月5日

【研究紹介】光情報を制御する希土類ナノ結晶 ~未来の光産業技術の向上を目指して~

研究紹介 — 3:23 PM

大学院工学研究院 物質化学部門・教授 長谷川 靖哉

 

(1)研究者のアピールポイント

研究者は光化学を基盤としたナノ材料開発に取り組み、これまでナノ構造の強発光体および磁性半導体開発に成功している。その成果はテレビや新聞等にて紹介され、光化学協会奨励賞などを受賞している。

 

(2)本発表研究の概要

現代の光科学技術をさらに発展させるためには、光の持つ特性を自在に操る光機能物質の研究が鍵となる。光情報を高効率に伝達制御できる新しい物質として、本講演では新型半導体・希土類ナノ結晶を紹介する。この希土類ナノ結晶を含むデバイスは次世代の光情報通信や光計測分野への応用展開が期待できる。

 

(3)本研究発表の詳細

光科学技術は現代の通信分野や計測分野を支える重要な研究開発領域である。未来を指向した光情報通信帯域のブロードバンド化や環境・医療分野への光計測技術の進展にともない、光情報を正確かつ高速に伝えるための可視光対応型の光アイソレーター材料が現在強く望まれている。

光アイソレーターとは、材料に磁場を印加することにより光が逆向きに進まないようにフィルターの役目を果たす受動部品である。この光アイソレーターは物質の光磁気効果を利用した光機能素子であり、現在は近赤外光対応型の光アイソレーターが使用されている。

可視光対応型の優れた光アイソレーターの創成は、光情報通信分野だけでなく環境・医療計測分野のさらなる発展に大きく貢献できると考えられる。

新しいファラデー素子用材料として、長谷川は新型半導体EuXナノ結晶に関する研究を行っている(図1)。EuXナノ結晶は400年以上使用可能なEu(II)イオンと酸素や硫黄などから構成される磁性半導体であり、可視光領域に大きなファラデー効果(世界最大値)を示す。本研究発表では、新物質EuXナノ結晶の可視光対応型光アイソレーター材料としての可能性について紹介する。

 

 

 

 

 

図1 半導体EuX結晶
(4)本発表の注目点

新しい機能物質の創成は、新学術領域の開拓だけでなく新産業の創出にも大きな影響を与える。本講演では、新型半導体・EuX ナノ結晶を創出するに至った着眼点・経緯を含め、その科学技術をわかりやすく紹介する。

北海道大学 工学系連携推進部 renkei@eng.hokudai.ac.jp