量子エネルギー変換材料分野 北海道大学大学院 工学研究院 エネルギー・マテリアル融合領域研究センター

量子エネルギー変換材料分野

研究内容

研究の現況と成果

(1) プラズマ応用によるエネルギー変換機構とマテリアル創製基礎研究 [図1]

液中放電プラズマ環境下での電極物質のナノレベル形状制御による新規材料創製の可能性を主に実験的に追求している。これまでに、Ni, Ti, Ag, Au等の源材料から、直径10 nm以下の超微粒子を含む真球ナノボールの精製に成功した。これらのナノボールの精製機構はプラズマと電極の境界層内の電流流れにおける電流集中現象(熱 -電気不安定性)と密接に結びついていると考えられ、通電様態の制御を通じて精製されるナノボールのサイズおよび物性をコントロールできる可能性があり、従来の気・液相法を超える高品質、大量生産、より廉価なナノボール作製法として期待される。

(2) 量子ビーム利用による材料基礎研究

イオン加速器付マルチビーム超高圧電子顕微鏡にレーザー光照射系を新規設備し、試料物質に対し電子、イオン、レーザー光の量子ビームを逐次的または同時に照射し、材料のナノスケール観察や非平衡環境下における新規創製が期待される。現在、顕微鏡内レーザー光照射効果の定量的見積もりを得るために、顕微鏡外照射実験をコロジオン高分子膜上塗布炭素、炭素片および白金鉄片に対して行ない、Nd:YAGレーザー光のアブレーション効果による炭素微粒子の生成や炭素、白金鉄の表面ナノピットパターンの形成が確認できている。

(3) 過酷環境用先進材料の開発

原子炉内発生中性子が材料に与えるボイドスエリング、誘起偏析、脆化などの問題に対し、各種のイオンビーム照射と超高圧電子顕微鏡を用いた電子線照射による材料微細組織変化についてビーム損傷の観点より調べている。Nb-Al焼結合金に、TEM内で電子ビーム照射を行い、微細組織変化挙動をその場観察した結果、室温照射では、NbAl3に特徴的な回折斑点が消滅し、Alの回折リングが出現し, 高温(350℃)での照射では、規則化が進みNbAl3相が母相中に形成した。285℃から485℃の範囲での加熱実験では顕著な微細組織変化は見られないことから、電子線照射による組織変化が温度状態の違いにより異なって起こることが確認された。

(4) 高効率量子エネルギー変換材料ならびに原子エネルギーに関する材料開発

ガス冷却高速炉炉心の耐熱性物質として期待されるSiC/SiC複合材について、新たにTEM内in-situ クラック伝播試験用資料ホルダーの開発を行うと共に、実際にTEM内でクラックを与え、動的なその場観察から伝播経路の解明を行っている。[図2] また、新たな原子力エネルギー源の供給のため、安全で高効率な次世代型原子炉の開発に向けた炉材料研究に着手している。

Metallic nano-balls image
図1 液中プラズマ放電により生成されたナノ粒子
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Electron microscope holder image
図2 ナノメカニクス解析用電顕ホルダー装置
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