山本 英治

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略歴

略歴
2005年 北海道大学農学部応用生命科学科 卒業
2007年 同大学大学院理学研究科化学専攻修士課程 修了
2007年 株式会社クラレ
2012年 九州大学理学府化学専攻博士後期課程 修了
2012年 北海道大学大学院工学研究院博士研究員
2014年 日本学術振興会SPD(2015年より米国ユタ大学M. Sigman グループに在籍中)
受賞
2005年 クラーク賞 (北海道大学)
2009年 リサーチプロポーザル賞 (九州大学)
2011年 有機合成化学協会九州山口支部ポスター賞
2011年 ファインケミカルズ合成触媒国際会議2011 『Young Oral Presentation』
2011年 院生プロジェクト優秀研究賞(九州大学)
2012年 Symposium on Molecular Chirality Asia 2012 ポスター賞
2013年 日本化学会第93春季年会優秀講演賞(学術)

研究概要

シリルホウ素/塩基反応系による有機ハロゲン化物のホウ素化反応

シリルボランは、ホウ素-ケイ素結合(SiB)を分子内に含む有用な反応 剤です。この化合物に塩基を添加すると、ホウ素上に塩基が配位したアート錯体を形成し、ケイ素基の求核性が高まるため、求電子剤と反応させるとケイ素化さ れた生成物が得られることが知られています。最近、我々は、反応系内で発生させたこのアート錯体に、求電子剤としてハロゲン化アリールをはじめとする有機 ハロゲン化合物を作用させると、ホウ素置換反応が高効率的に進行することを見出しました(下図 Yamamoto, E.; Izumi, K.; Horita, Y.; Ito, H. J. Am. Chem. Soc. 2012, Accepted.)。この反応を形式的にみると、ハロゲン化アリールに対して、ホウ素アニオンの求核置換反応が進行したとみなすことができます(形式的求核ホウ 素置換反応)。一般的にハロゲン化アリールへの芳香族求核置換反応は起こりにくいとされており、非常に驚くべき発見であるといえます。

  • シリルボランの例外的な反応性
  • 遷移金属触媒不要
  • 高いホウ素置換選択性
  • 良好な官能基許容性

九州大学 博士課程での研究 (九州大学 触媒有機化学研究室 徳永信 教授):

エステル類の不斉加水分解反応の開発:生体触媒によるカルボン酸エステルの不斉加水分解は有機合成上、最も重要な酵素反応のひとつですが、単位重量当たりの 触媒活性が低い等の欠点を抱えています。最近、筆者は、不斉相間移動触媒を用いたアルケニルエステル類の不斉塩基加水分解反応の開発に成功しました(下 図、引用文献2、3)。本反応は、人工触媒を用いた、合成的応用可能な不斉加水分解反応としての初めての例です。

 

文献

  • Yamamoto, E.; Izumi, K.; Horita, Y.; Ito, H. J. Am. Chem. Soc. 2012, 134, 19997-€20000.(Highlighted in SYNFACTS 3/2013) DOI: 10.1021/ja309578k
  • Yamamoto, E.; Nagai, A.; Hamasaki, A.; Tokunaga M.Chem. Eur. J. 2011, 17, 7178-€7182. DOI: 10.1002/chem.201100833
  • Yamamoto, E.; Gokuden, D.; Nagai, A.; Kamachi, T.; Yoshizawa, K.; Hamasaki, A.; Ishida, T.; Tokunaga, M. Org. Lett. 2012, 14, 6178-6181. (Highlighted in SYNFACTS 3/2013)DOI: 10.1021/ol3027363

新聞報道、プレスリリース

  • 「有機ホウ素化合物の安価・簡単・安全な合成法を開発」 北海道大学プレスリリース 2012年12月6日
  • 「北大が安価な合成法」 日刊工業新聞 2012年12月7日
  • 「有機化合物 安く早く」 北海道新聞夕刊 2013年2月1日

業績

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