研究室概要

組織制御学研究室について

 私たちが日常で使用する金属やセラミックスなどの材料は、その外見からは想像もつかないような複雑な『組織(構造)』を持っています。それは、例えば木材に木目や節や年輪があるのに似ています。この『組織』は、材料が発揮する性質を大きく左右します。たとえ同じ化学成分を持つ合金であっても、析出物の形態や分布状態あるいは母相の結晶粒径分布などの微細組織が異なると、機械的強度などの材料性質も異なります。

 私たちの組織制御学研究室では、材料から優れた性質を引き出すために、その組織を自由に制御するための様々な方法について研究しています。金属材料の組織が誕生するのは、気体や液体から固体が作られるときです。その後、冷却過程における固相変態や析出、加工と再結晶や粒成長などにより、材料組織は次々と変化します。

 このように組織が生まれ変化する現象を実験的・理論的に解明して、その知識を新しい材料や製造プロセスの開発に活用しようと、私たちは考えています。

 

 

 

組織制御学入門講座 ~材料組織の不思議な世界~

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インゴットを縦に切断して、樹脂に埋め込み、耐水研磨紙で平らになるまで磨きます。
この状態では何も見えません。

 

王水(濃塩酸と濃硝酸の混液)に20秒ほど浸すと、模様(柱状に成長した結晶粒組織)が見えてきました。このような操作を腐食(エッチング)と呼びます。この組織のように肉眼で観察できる組織を「マクロ組織」と呼んでいます。これに対し、顕微鏡で観察すると見える微細な組織を「ミクロ組織」と呼んでいます。

 
色々な組織
デンドライト(樹枝状晶)
デンドライトは最も一般的な凝固組織の一つです。
液体の中から生まれた結晶が樹木のように枝分かれした形態をとりながら成長したものです。
過冷した液体アルミニウムに石英管を浸漬したところ、石英管の表面からアルミニウムのデンドライトが成長した。

 
るつぼ壁に付着したアルミニウムの液膜が凝固したもの。
表面の凹凸によって樹枝状の組織が見える。

 
Al-Cu合金の液体中に浸漬した水冷銅パイプ表面から成長したデンドライト。凝固の途中で銅パイプを引き上げ、高速回転による遠心力を利用してデンドライトの谷間に残った液体を吹き飛ばしたところ、凝固したAl-Cu合金の表面にピラミッド状のデンドライト先端部が姿を現した。