名物講義

このページでは,機械情報コースでの名物講義を紹介します.

流体力学と流体工学

流れ入り,渦を描き,淀んでは流れ出ていく.

この変形自在な物質の集まりを流体という.その運動を数個の方程式で表現する方法を学ぶ.他コースでも流体力学は開講されているが,正統派の流体力学をシリーズで学ぶことが出来るのは機械知能工学科の2コースだけだ.最新の航空工学や風力エネルギーの新技術は流体力学から生まれている.

常に人気がある講義だが難易度がやや高いのが特徴だ.同一空間に無限の曲線が共存する流体の運動は,力学の最高峰に君臨している.分子流体力学の渡部先生,風力エネルギーの村井先生,自動車空力の坪倉先生,ジェットエンジンの大島先生で教える.

応用数学Iと応用数学II

生まれて初めて「未完成」の数学を学ぶ.

本講義は,理学部とはスタンスが異なった,工学部にしかない数学の応用だ.数学者が無機質な数学を哲学的に教える数学ではない.工学者が工学に「応用してなんぼ」と言って,数々の論理飛躍を許容しながら強引に導き出す楽しい数学である.

毎年,これぞ大学で学ぶ「大人の数学」だと学生達は前のめりになる.数学が苦手だった人達も,この応用数学だけは人間味を感じて実力をぐんと伸ばしている.高校や1年生の教養科目として学ぶ数学とは,別世界だ.自然界のあらゆる現象が,応用数学という鏡に反射して,私達の体と繋がっている.もちろん講師はすべて北大・機械の4名の教員である.

新素材工学

ものが「壊れる」ことを専門的に学ぶ.

われわれは幼少期から,壊れること・壊すことについては,本能的な関心事としてプログラムされている.この危機管理の潜在意識は,現代の人工物社会においてより高度で複雑な問題となった.構造物に働く機械的な力について考え,物が壊れる仕組みを理解するのは,実は15週の講義をうけて初めて分かるのである.金属だけでなく,新素材の壊れ方,そして壊れないための材料機能のデザインを知ることができる.

CAD/CAM演習

機械知能工学科名物!体を使う専門科目.

機械の名物「ねじの製図」.ロケットからロボットまで,機械工学の先端技術を根底から支える仕組みがわかる.またそれは,あらゆる産業の基盤をなしている.身の回りにあるネジを実際に図面に起こすと,技術屋としての覚醒が起こるだろう.実のところ,あなたは今,ネジについて何一つ判っていないのだ.

一本の曲線を引くことができたとき,体に電気が走り,理解する瞬間の興奮を味わうだろう.製図は機械知能工学科では,空手や柔道のようなものだと言われている.頭を使う体育,いや,体を使う専門科目.そのような授業は他の学科には殆どないのである. この最も質素な機械要素の製図は,我々がこの大宇宙の中の点にもならない空間で生きていることの宇宙観を教えてくれる.

原子炉工学

原子炉にはあらゆる工学的知識が詰まっている.

この授業を修得することで,はじめて原子力の是非を自分の判断で議論できるようになる.TVにも何度も登場する原子炉工学研究室の奈良林先生が自信をもって熱く教える.それは「現代工学の粋の結集」か,はたまた「寄せ集めで脆い」と捉えるかは,あなたが決めることだ.

原子力について過去にない最大関心が集まっているいま,この専門科目を正規で受講することができるのは,機械知能工学科の2コースだけである.

振動工学

音楽からロボットまで,夢あふれる最新技術の根幹

振動に特化した力学である.耐震問題から,飛行機・自動車の騒音,鉄道の乗りごごち,私達の心臓の拍動まで,周波数応答は我々の社会を支配している.宇宙惑星から素粒子まで,万物の運動は,楕円型,放物型,双曲型に分類されることを知っているだろうか.それを複素数や行列式を使って美しく体系化していく.これが工学の新発明にリンクするからである.古典力学をこれほどまで奥深く美しく拡張して学ぶことができる授業は他にない.音楽からロボットまで,夢あふれる最新技術がこの講義の先にある.

伝熱工学Ⅱ

世界に誇るスパコンの性能に直結.

名物講義は,やさしくて生ぬるい授業だけをリストアップしていては駄目だ.伝熱工学は,熱の流れをどうやって人の術で操るかという工学である.担当教官の厳しい指導が特徴だ.この講義を通して,紙と鉛筆を持って机に向かうことの重要さが伝わる.高速計算機の性能は電子回路の設計ではなく,伝熱工学が律速となっている.放熱,断熱,溶ける,固まる.産業界に直結する様々な物理がここに集約している.

環境エネルギー工学

正解が用意されてない講義.

それが近久先生の話術とともに展開される環境エネルギー工学です.エネルギー政策は政治家が決めるものではない.政策を決定づけるのは,エネルギーの生産と変換の工学技術である.水素エネルギー,自動車エンジン,燃料電池の研究の第一人者が,受講者とともに,答えのないエネルギー問題についてインタラクティブな講義を進めていく.自然科学と社会科学の間にある問題に取り組む講義として,異彩を放つ,人気講義である.

機械設計演習

伝説のエンジン製図

エンジンの設計を通じ,物の作り方,特に加工法,加工手順を学び,エンジニアとして最初の本格的な基礎を身に付ける.本学科で同時に学ぶ熱力学,伝熱工学,流体力学の実力が早速,試される.北大の機械には,エンジンの研究室が複数あり,沢山の卒業生が自動車会社に就職しており,本演習は彼らの登竜門と言える.

F1やバイクなどモータスポーツに魅了されている若者達よ,エンジンの製図をするとき,それは趣味からプロフェッショナルに,意識転換される.一人一人の学生達は,違うスペックのエンジンを設計しなければならない.完成したときの喜びは絶大である.奇怪なエンジンを設計する学生も登場して製図室はいつも賑やかだ.

 

 

 

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